今年の2月に横浜のNPO団体から野良猫を引き取りました。猫を飼いたくてたまらなかった私はケージやえさ、トイレを用意して新しい家族を向かい入れました。五か月のキジトラ、メス。ふんわりした毛並みと大きくてきれいな黄緑色の目はふくろうのようでした。名前はめかぶです。引き取る前から付けられていた名前で、ひらがな三文字が気に入り、この名前にしました。
しかし、迎えて二日と経たないうちに、めかぶの体調が急変しました。目から涙を流し、くしゃみをするようになりました。すぐに動物病院でみてもらうとネコ風邪と診断され、目薬とくすりをもらいました。けれど、次の日からずっとまるくなって動かなくなり、初めて猫を飼った私は、これがどのような状態かわからず、猫は寝るものだから、ずっと丸くなって寝ていても大丈夫なのかな?と思っていました。けれど、念のために、と思い、病院にいって二日後、もう一度先生に診てもらいました。結果、FIPの疑いがあると診断されました。
FIPとは猫伝染性結膜炎と呼ばれ、発症すると致死率ほぼ99パーセントの病です。余命は一カ月で苦しみながら亡くなっていく病気だそうです。私は頭が真っ白になりました。先生は子猫で40度以上の熱がでることはまれであることと、目が腫れていること、血液検査の高くなっている成分の数値がFIPの病気と共通していることで、FIPの疑いがあると診断されたのです。しかし、FIPであるかは確定することは非常にむずかしいということです。FIPは、ほとんどの猫がもっている(もっていない猫もいる)コロナウイルスが突然変異したもので、なぜ突然変異するのか、突然変異は起こっているのかの正確な情報がまだ解明していないからです。
その日はめかぶの中にあるコロナウイルスの抗体値を図る検査を行い、熱や痛みを緩和するステロイド剤だけもらい、その日の治療は終わりになりました。
とても心配で辛かったですが、ステロイドを飲んだ翌日、めかぶはけろっとして、元気よく鳴いていました。これはステロイドの効果ではないかと思いました。
そして、次の日コロナウイルスの抗体値の結果がでました。抗体値は1600だそうです。1600をどう見るかは非常に難しいです。10000以上の抗体値の猫もいますし、400でも発症する猫はいます。抗体値検査はFIPが確定する診断ではありません。発症するリスクはどれぐらいあるかを見るためのものだと思います。そのため、私が結果を聞いた時、「0ではなかった。」と思い、悲しく思いました。
しかし、それからのめかぶの回復力が目覚ましく、徐々に私にもなついて、元気に家の中を走り回るようになりました。ステロイドのおかげなのかと思っていましたが、余命宣告の一か月を過ぎ、二か月、三か月、その間も量を減らして、ステロイドを与え続けました。そして、今、ステロイドを全く飲まず、めかぶは今も元気に過ごしています。いま、私がこの文章をつづっているあいだも、横で丸くなり気持ちよさそうに寝ています。
FIPとは非常に判断がしづらい病気です。めかぶは誤診でしたが、先生は懸命にめかぶを診てくれました。そして、今回の件でわかったことがあります。
それは、「FIPは非常に診断が難しいこと」「ネコの保険に入ること」この二点です。
まず、FIPの判断は非常に難しいため、専門家でも判断がしづらいということです。そのため、いろんな情報に惑わされ、とくに、FIPは恐ろしいことしかネットにかいていないので、まず、飼い主が悲しむ前に、愛猫としっかり向き合うことだと思います。
また、ネコの保険にはいることもおすすめします。私は3日続けて、なんのためらいもなく、動物病院に行きました。FIPの検査や薬代、病院食で、数十万かかったと思います。また、最悪の場合を想定して、入院させる覚悟もしていました。このように、保険にはいっていると、お金の心配なしに愛猫のことを一番に考えられるのです。
いろんなことが起こりましたが、今もめかぶはかわいくて、ふわふわしていて、ごろごろしていて、とっても癒されます。
みなさまも素敵なネコライフが送れますように。
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