保護猫「ふうちゃん」との幸せな毎日

友達の家には、多分3歳くらいと思われる猫が一匹います。多分というのは、もともと野良だった猫を保護して飼い始めたので、正確な年齢がわからないからです。

この保護猫の名前は「ふうちゃん」と言い、女の子です。サバトラのミックスと思われ、目がとても大きく、色はきれいなブルーです。

「ふうちゃん」は保護された当初は、とても警戒心が強く、ちょっとでも近寄ろうものなら、爪を立てて「シャー」と牙をむき、私たちを威嚇していました。隙あらば脱走しようとして、家中を走り回り、挙句の果てには窓に体当たりしたりして、一時期は「ふうちゃん」の手から出た血が、窓にべったりとついていました。「知らない人が見たらホラーよね」なんて、家族で窓を拭きつつ笑いあっていたのですが、内心、この先飼い続けることができるのか、ちょっと不安を感じていました。

そもそも、友達の家族は猫そのものを今まで飼ったことがなかったので、それがいきなり保護猫というのは、少しハードルが高かったのではないかと、後悔すら覚えましたが、一度飼ってしまったものを今さら捨てるなんて可哀そうだし、それこそ人間の身勝手だと思い直し、家族全員でなんとか頑張って飼い続けていこうと努力をしました。

それから、かれこれもう2年以上が過ぎました。もう、あの頃の「野良猫ふうちゃん」は友達の家にはいません。今、友達の家にいるのは、でっぷりとしたお腹で、ゴロゴロとのどを鳴らしながらおやつをねだる、一匹の飼いならされた猫です。あの頃のガリガリに痩せて、するどい目つきをした猫と同一猫とは思えない、すっかり家猫と化した「ふうちゃん」が、部屋の真ん中で我が物顔でくつろいでいます。

「ふうちゃん、あの頃の野生本能はどうしたの?」私はふうちゃんの体をさすりながら、そう聞いてみます。すると、ふうちゃんは一体何を言われているのかわからないというようなキョトンとした顔をして、私を見つめます。「ふうちゃん、友達の家に来てくれてありがとう」猫がいる幸せを毎日感じながら、太ったのは、ちょっと想定外だったなと、苦笑しています。

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